米政府の債務、34兆ドルを突破 過去最大に
ロンドン(CNN) 米政府の債務が史上初めて34兆ドル(約4870兆円)を突破した。連邦議会は残り数週間の期限内に、新たな予算案で合意する必要がある。
財務省が2日に公表したデータによれば、米国の「公的債務残高の総額」は昨年12月29日時点で34兆10億ドルだった。前回33兆ドルを突破してから3カ月での記録更新となった。
財政問題の監視団体、「責任ある連邦予算委員会」のマヤ・マッギネアス委員長は、今回過去最大に達した債務残高を「真に気が重くなる『偉業』」と形容。3日に発表した声明で「我が国の債務レベルは経済と安全保障の両方にとって危険な水準だ。にもかかわらず、米国は借り入れを止めることができない」と指摘した。
経済が比較的堅調で失業率も低い中、債務が膨れ上がっているのも懸念材料だ。本来このような経済状況は財政赤字を引き締めるのに良いタイミングと考えられている。政府が支出を増やすのはたいていの場合、経済の停滞期と高失業率の時期であり、そうした政策により景気を刺激しようとする。
政府債務は共和党と民主党が対立する主要な争点となっており、連邦予算を巡る議会での審議はしばしば膠着(こうちゃく)。定期的に政府機関閉鎖の脅威が迫る事態を引き起こしている。
両党が非難の応酬を繰り広げ、債務が膨れ上がる中、米国債の格付けには既に悪影響が及んでいる。格付け会社フィッチ・レーティングスは昨年8月、米国債の格付けを最上位の「AAA」から「AA+」に1段階引き下げた。同11月にはムーディーズも、米国債の格付けを最上位から引き下げる可能性に言及している。