除草剤の発がん性めぐる損害賠償訴訟、3300億円の支払い命令 米

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米ペンシルベニア州で、除草剤「ラウンドアップ」が原因でがんになったとして男性が損害賠償を求めた訴訟で、バイエル側に22億5000万ドルの支払いを命じる評決が下された/Jeff Greenberg/Universal Images Group/Getty Images

米ペンシルベニア州で、除草剤「ラウンドアップ」が原因でがんになったとして男性が損害賠償を求めた訴訟で、バイエル側に22億5000万ドルの支払いを命じる評決が下された/Jeff Greenberg/Universal Images Group/Getty Images

(CNN) 米モンサントの除草剤「ラウンドアップ」が原因でがんになったと主張する男性(49)が同社と親会社の独バイエルに損害賠償を求めた訴訟で、ペンシルベニア州の陪審が先週、両社に22億5000万ドル(約3300億円)の支払いを命じる評決を下した。

原告側の弁護士が29日に発表した。

男性は自宅敷地内で20年間ラウンドアップを使い続けた後、悪性リンパ腫の診断を受けた。

陪審は、ラウンドアップが発がん性のある欠陥商品であるにもかかわらず、モンサントが警告を怠ったと判断し、全員一致で評決を下した。

親会社のバイエルは、巨額の賠償命令は不当で違憲だとして上訴する構えを示した。

ラウンドアップの主成分であるグリホサートについては、世界保健機関(WHO)が2015年の報告書で発がん性の可能性を指摘した後、悪性リンパ腫の患者による訴訟が相次いだ。

これに対してモンサントは発がん性を否定し、安全だとみる研究結果が圧倒的に多いとして、ラウンドアップの販売を続けた。

米環境保護庁は20年、ラウンドアップを指示通りに使用した場合に健康リスクの心配はないと結論付けた。欧州委員会も昨年、発がん物質とする証拠はないとの判断を示した。

18年にモンサントを買収したバイエルは、これまでに訴えを起こしたがん患者数千人との和解金として、100億ドルあまりを支払ってきた。

裁判になったケースはごく少数に限られている。最大で数十億ドルの賠償金を認める評決が出た後、減額された前例もある。

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