バイデン氏、イスラエルのガザ軍事行動は「行き過ぎ」
ワシントン(CNN) バイデン米大統領は8日、イスラエルによるイスラム組織ハマスの掃討作戦は「行き過ぎ」だと述べ、パレスチナ自治区ガザ地区での軍事行動を強く批判した。
また、人質解放と長期の戦闘休止を組み合わせる現在交渉中の取引について、紛争に持続的な変化をもたらす可能性があるとの楽観的な見解を口にした。
ガザ地区の窮状については厳しい認識を示し、人道危機を食い止めるためには一層の取り組みが必要だと強調した。
一連の発言は夜の記者会見の最後に出たもので、4カ月続く紛争に対するバイデン氏の見方を新たに垣間見せる内容となった。この紛争では米国の外交政策が試練にさらされ、民主党内の亀裂も顕在化している。
バイデン氏はホワイトハウスに集まった記者団に対し、「私はガザ地区での対抗措置は行き過ぎだとみている」と発言。人道支援強化のためガザ地区の封鎖解除を求める自身の取り組みに言及した。
イスラエルの軍事作戦を行き過ぎと評した分析からは、ガザ紛争に対するバイデン氏の公的な立ち位置が変化したことがうかがえる。昨年10月7日以降、バイデン氏は多くの場面でイスラエルを受け入れる姿勢を示し、ハマス掃討の権利を断固擁護してきた。
ただ、ホワイトハウス内では、イスラエルのネタニヤフ首相が低強度戦闘への移行を求める米当局者の呼び掛けに応じないことへの苛(いら)立ちが募っている。ネタニヤフ氏が米中東政策の要である2国家解決の拒否を明言していることもバイデン氏らの苛立ちの種となっている。