バイデン氏、米製兵器与える諸国の行動規範を発表 ガザで調査か
(CNN) 米ホワイトハウスは15日までに、バイデン大統領が米国から軍装備品を調達する外国政府が順守すべき行動規範などを強調した政策指針の覚書に署名したことを明らかにした。
米国務長官に、これら外国政府が規範を守ることについて「説得力があり、信頼し得る書面上の保証」を受け取ることを指示したともした。
この覚書の内容によると、国務、国防両省による全ての軍装備品の供与は適用され得る全ての国際的あるいは国内的な関連法規や政策に沿った形で実行されるべきと主張。国際的な人道支援や人権擁護に絡む法規もこれに含めた。
バイデン政権高官は、今回の覚書の内容は目新しいものではないが、国際法に基づく現行の規範を公的に改めて周知させる機会になると主張。その上で、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルの軍事行動が背景要因にあるとの見方は打ち消した。
特定の国などがこの規範に背いているから改めて出したわけではないとも述べた。
ガザ情勢についてはバイデン大統領が最近、パレスチナ自治区ガザ地区での交戦で住民ら2万7000人以上の死者を招いているイスラエルの軍事行動は「行き過ぎ」との判断を記者団に表明してもいた。
高官によると、今回の覚書の発表は部分的には政権当局者と連邦議会との間の協議で発案された。同高官は「透明性を確保するための措置」とし、ホワイトハウスは米国製兵器を引き取る外国政府の行動規範に関する新たな年次報告書を連邦議会に送付することも計画しているとした。
一方、米国務省のミラー報道官は13日、イスラエルが使用する米国製兵器による民間人の被害程度などを検証していることを明らかにした。
会見で、米国は既にある政策指針などに基づき、世界各地で米国が供与した防衛装備品の正当な引き取り相手が民間人にもたらしたとする被害の情報を徹底的に調べていると指摘した。
米国はガザの軍事衝突で民間人保護の努力を一層強めるべきだとイスラエルに迫っている。バイデン政権はガザでの交戦でイスラエル支持を堅持していることから世論で反発も受けており、今年の米大統領選で政治的な争点になりかねない情勢ともなっている。