「凍結胚は子ども」 州最高裁判断が招いた混乱、保存された凍結胚の未来は 米アラバマ州
アラバマ州では少なくとも3つのクリニックが法的懸念を理由に当面の間、体外受精を中止している。一方、アラバマ州下院の民主党は22日、「人の子宮外に存在する受精卵や受精胚は、どんな目的であれ、胎児や人とはみなされない」と宣言する法案を提出した。
「凍結胚が生まれた子どもと同じ権利を持つというのなら、もし虐待されていると政府が判断した場合、私から子どもを取り上げるのと同じ権利を持つことになる」「胚に対する虐待の定義が分からない。7年間の凍結も、彼らから見れば虐待なのか」とランブリーさんは問いかける。
前例のない判断は、凍結胚を長期保存する費用を誰が負担するのかという疑問も生じさせた。
ランブリーさんは自分の胚をマサチューセッツ州に移したい意向だが、現在胚が保存されている病院とは連絡が取れず、外部の企業に運んでもらえるのか、自分で運ぶのかも分からないという。

体外受精卵のガラス化のために胚の凍結準備が行われる様子/Ben Birchall/PA Wire/AP via CNN Newsource
「もし自分たちで運んだとして、万が一何かあった場合、私たちは虐待犯になるのか?」とランブリーさんは疑問をぶつける。「それでも自分でコントロールできない州に残しておきたいとは思わない」
アラバマ州医師会は州最高裁の判断について、凍結胚は体外受精による妊娠の過程で傷ついたり使用できなくなったりする可能性があり、不妊治療のスペシャリストが民事上の責任を問われる可能性が浮上すると指摘。さらに、たとえ両親が死亡したとしても、凍結胚を破棄できない可能性もあるとした。
アラバマ州司法長官事務所は、今回の判断を根拠として体外受精を行う側や患者を訴追する意図はないと説明している。