米CEO殺害の容疑者を起訴、保険会社に対する憤りあおった「テロ行為」
(CNN) 米医療保険大手ユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が射殺された事件で、米ニューヨーク・マンハッタンの大陪審は17日、ルイージ・マンジオーニ容疑者(26)を殺人などの罪で起訴した。
マンジオーニ容疑者は今月4日、ニューヨーク市内でトンプソン氏を殺害したとして、第1級殺人や第2級殺人など11件の罪で起訴された。
検察は今回の事件について、民間人や政府に対する脅迫や強要を目的とする「テロ行為助長」の意図があったと指摘。17日の記者会見で、「これは衝撃を与え、注目を集め、脅迫することを狙って周到に計画され、標的を絞った恐ろしい殺人だった」と述べている。
弁護人によると、マンジオーニ被告はニューヨークへの移送に対して争わない姿勢。19日にペンシルベニア州の裁判所に出廷し、ニューヨーク移送に向けた手続きについて裁判官が判断する。
記者会見で発言するマンハッタン地区検察のアルビン・ブラッグ検事=17日、米ニューヨーク/WABC
有罪になった場合、仮釈放なしの終身刑を言い渡される可能性がある。
マンジオーニ被告は裕福な家庭に生まれて有名大学を卒業。医療保険業界や「企業の貪欲さ」に対する怒りに突き動かされたと警察は見ている。
今回の事件は、医療保険業界に対して米国民の多くが感じている憤りを露呈させ、企業経営者には衝撃が走った。SNSは犯行を賞賛する投稿であふれ返り、ニューヨーク市警はそうしたネット上の言動から、当面の間は経営者らの安全が脅かされる状況が続くと予想している。
検察は「これは恐怖をかき立てることを狙った殺人だ。われわれはその反応を目の当たりにしている」とコメントした。