3年前のTikTok動画、未解決殺人事件の容疑者逮捕の決め手に 米
(CNN) 米フロリダ州セントピーターズバーグでエレニ・ペカさんの一人娘、ジョアナ・ペカさん(当時27)を3年前に殺害した容疑で男が逮捕された。
警察によると、メキシコ市での容疑者逮捕は、あるTikTok(ティックトック)ユーザーが動画内に映った写真でこの男を思い出したことがきっかけだったという。
3年以上にわたり悲しみと不安を抱えてきたペカさんと家族にとって、逮捕は希望の光となった。警察によると、ベンジャミン・ロバート・「バンビ」・ウィリアムズ容疑者(41)は2021年7月31日、セントピーターズバーグの墓地に駐車したバンの運転席に座っていたジョアナさんの顔を撃った。
事件が起きたとき、ジョアナさんは生後4カ月の息子を抱いていた。当時4歳だった上の息子は後部座席から銃撃を目撃していた。ジョアナさんはウィリアムズ容疑者の元恋人で、下の子は容疑者の子どもだという。
エレニさんは過去の取材で、事件当日に子どもたちを警察署に迎えに行ったとき、上の息子が「お母さんの顔についた血を拭こうとしたけど、ぼくの手が小さすぎた。お母さんは血がたくさん出ていて、助けられなかった」と話したと語った。
うその口実で元妻を墓地に誘い込んだ
当局によると、銃撃の前、ウィリアムズ容疑者は幼い息子を見たいため墓地で会うようジョアナさんを説得していた。エレニさんは容疑者の姉妹もその墓地に埋葬されているためジョアナさんは容疑者の話を信じたと語った。
ジョアナさんが子どもを抱いてバンの運転席に座っていると、容疑者は車に歩み寄り、数回にわたりジョアナさんを撃ったという。
容疑者は銃撃後、姿をくらませた。セントピーターズバーグ警察は各方面と連携して容疑者を捜索。逮捕につながる情報に対して2万5000ドル(約370万円)の報奨金を提示した。
現場では銃は見つかっておらず、誰がジョアナさんを殺害したのかすぐにはわからなかった。捜査官がジョアナさんの携帯電話を調べ、事件当日にウィリアムズ容疑者と会う予定だったことが判明したことで、手がかりが浮かび上がったという。
殺害されたジョアナ・ペカさん/St. Petersburg Police Department
3年前のTikTok投稿から容疑者が特定
それでも容疑者の確保には至らないまま数年が経った先月27日、メキシコの住民がこの事件に関するTikTok動画を見て、米国大使館などにウィリアムズ容疑者がメキシコ市に住んでいると通報した。
この動画は、TikTokインフルエンサーのジャスミン・アレクサンダーさんが銃撃事件の約10日後に投稿したものだった。アレクサンダーさんの犯罪ドキュメンタリーアカウントは現在280万人以上のフォロワーを抱えている。動画にはフロリダのニュースチャンネルがこの事件と容疑者の捜索を報道する様子が映っており、何百回もシェアされている。
動画には頭を丸刈りにした容疑者のカメラ目線の写真も含まれている。容疑者は偽名を使ってメキシコ市内を転々としており、ホームレスに近い状態だったという。
逮捕後、容疑者はマイアミに引き渡された。
アレクサンダーさんは最近の投稿で、3年以上前の動画が容疑者逮捕につながったことは、SNSの「とてつもない」力を証明していると述べた。