大量破壊兵器の保有を公言、国民への使用は否定 シリア
(CNN) シリア外務省は23日、外国から侵攻された場合に備えて生物化学兵器などの大量破壊兵器を保有していると公言した。ただしシリア国民に対して使うことはないと断言している。
シリア外務省のマクディシ報道官は記者団に対し、「シリアが保有している(大量破壊兵器の)ストックや非通常兵器は、いかなる状況においても民間人やシリア国民に対して使うことはない。保有兵器はすべてシリア軍によって監視され、外部からシリアに対する侵攻があった場合にのみ使用される」と発言した。
これに対して米国務省のヌーランド報道官は「こうした種類の兵器の使用は一切容認できない。シリア政権は世界に対する責任がある。そして何よりも自国民に対し、こうした兵器の安全を守る責任がある」と牽制(けんせい)した。
内戦状態に陥ったシリア情勢をめぐっては、軍事介入の是非をめぐり各国の間で論議が高まっている。反体制派によると、この日も商業中心地のアレッポなどで激しい戦闘が続き、同国全土で約130人が死亡した。
一方、アラブ連盟の高官は、シリアのアサド大統領が即時辞任して出国すれば同連盟が身の安全を保証すると述べ、アサド大統領の退陣を迫った。
カタールの外相も22日の会合後、記者団に対し「(アサド大統領の)即時辞任の必要性について一致した見解がある」と述べ、反体制派および武装組織「自由シリア軍」に対して統一政府の樹立を呼びかけていることを明らかにした。
戦闘の激化に伴い、これまでに数千人がシリアから近隣諸国へ脱出している。イラク政府の報道官は23日、国境検問所3カ所をシリア難民のために開放し、必要な支援を提供すると発表した。