イラク、1日で21人の死刑を執行
バグダッド(CNN) イラクで27日、テロ事件で死刑判決を受けた21人がいっせいに処刑された。翌28日に同国司法省が発表した。
国連はイラク政府に対し、刑の執行を控えるよう求めていた。国連によればイラクでは昨年11月以降、90人近くが処刑されている。今年に入って最初の40日間だけで、65人に死刑判決が言い渡されたという。
人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのジョー・ストーク中東局長代理は、死刑判決の理由がはっきりしない点が大きな懸念材料だと語る。「テロと言うだけでは明確でない」とストーク氏は言う。
またストーク氏は、イラクの裁判制度にも懸念を表明し、「残念ながら私たちには、(イラクの)裁判が非常に大きな問題を抱えていることを示す多くの経験がある。治安関連の裁判で被告に弁護人を付ける場合は特にそうだ」と述べた。
今年に入り、国連のピレイ人権高等弁務官は、イラクにおける大量処刑の報告に衝撃を受けたと述べ、「どれほど慎重で公平と思われる基準に基づく裁判だったとしても、たった1日で行われるにしては恐ろしいほどの処刑件数だ」と語った。
「最も気がかりなのは、強要の下で自白が引き出された例が報告されているにもかかわらず、死刑囚が恩赦を受けたとの報告が1件もないことだ」ともピレイ高等弁務官は述べた。