漂着する東日本大震災のがれき、魚や鳥の胃袋にも 米ハワイ
ジャンツ氏が調べたさまざまな種類の魚64匹のうち、12%からプラスチック類が見つかった。ミズウオに限定すると、その率は45%にも上ったという。ミズウオはムツやキハダマグロのえさとなり、最終的には食卓に上る可能性がある。
また、飲み込まれたプラスチック類から出る化学物質が魚の体に吸収される危険性も否定できない。
一方、ハワイ・パシフィック大学の海洋学者デービッド・ハイレンバック准教授は、水鳥への影響を研究している。同氏が解剖した生後2カ月のアホウドリの胃袋は、8割がプラスチック片で満たされていた。薬品チューブのふたや、ヘアブラシの一部などが交じっている。
同氏が示す箱の中には、おもちゃの兵士やライター、ブラシなどが詰まっていた。どれもハワイのアホウドリの体内から見つかったという。「大きさの差こそあれ、私が調べた鳥はすべてプラスチックを飲み込んでいた」と、同氏は話す。
どこからやって来たのか判別できない漂着物も多いが、NOAA太平洋諸島地域調整官のカーリー・モリシゲ氏は「日本のだれかの家にあった物がこんなに遠い海岸まで流されたかもしれないと思うと、悲劇の大きさを実感する。陸と海のつながりの深さも思い知らされる」と語った。