残留の韓国従業員らが一斉に退去 北朝鮮の共同工業団地
ソウル(CNN) 韓国の統一省は27日、北朝鮮の開城(ケソン)工業団地に最後までとどまっていた韓国の進出企業の関係者ら126人が同日、韓国に戻ったと発表した。
南北共同事業である同団地は軍事境界線の北側にあるもので、126人はトラック63台を連ね、開城を離れた。団地には韓国企業120社以上が進出していた。
同省当局者は韓国人従業員らの今回の引き揚げについて、北朝鮮による不当な行動による被害がもたらしたものと主張。団地に進出した韓国企業に対しては事業が続行出来るよう支援すると述べた。
北朝鮮は今年2月に強行した核実験に対する国連安全保障理事会の追加制裁に強く反発、米韓両国などへの軍事的威嚇を最近強めている。
韓国に対しては経済的な締め付けも行い、韓国の従業員らによる同団地への新たな立ち入りを今月禁じ、食料や医薬品の運び入れも拒んだ。また、団地で働く北朝鮮従業員5万人以上を撤収させ、操業を一時中断させていた。同団地は北朝鮮にとって貴重な外貨獲得源となっており、一時中断に追い込む動きは驚きをもって受け止められてもいた。
韓国政府はこの中で、団地をめぐり実務会談を北朝鮮に25日提案し、回答がない場合、重大な措置を講じるとの対抗措置を示していた。
しかし、北朝鮮の国防委員会は26日の声明で、韓国の提案はいつわりに満ちたものと非難。「韓国が事態をこじらせ続けるなら、先に最終的かつ決定的な重大措置を取らざるを得ない」と主張していた。