世界の貧困層は減少? 実は中国が・・・
世銀のデータでは、中国の貧困人口は、過去30年間で6億8千万人近く減少しており、これは世界全体の貧困人口減少の95%に相当する。中国政府は、30年間にわたり2桁の経済成長を達成し、貧しかった中国の経済状況は驚異的な変化を遂げた。
だが一方で、他の地域での貧困の改善は極めて遅かった。
他の国々にも良い教訓となるのがインドだ。インド政府は、貧困状況の改善において大きな進展を遂げているものの、この進展は人口の増加でほとんど帳消しとなっている。
1981年には、インドの貧困人口は、全人口の約60%に当たる4億2900万人だった。2010年には、貧困率は33%まで低下したが、人口が約5億人増加した結果、貧困人口はまだ4億人前後にも上っていた。貧困層から抜け出した膨大な数の人に代わって、新たに膨大な数の貧困層が生まれたのだ。
そして、貧困を減らすための正解は、やはり経済成長なのである。
1960年代と70年代のインドは、年率2%程度にしか達しないことも多いような低成長に陥っていた。