イラク各地で爆弾テロ、死者64人 アルカイダの犯行か
(CNN) イスラム教シーア派とスンニ派の対立が再燃しているイラクで10日、爆弾テロが続発し、当局者らによると少なくとも64人が死亡、190人が負傷した。米国務省は国際テロ組織アルカイダ系武装組織の犯行との見方を示し、指導者の殺害または拘束につながる情報に1000万ドル(約9億6000万円)の賞金を懸けると発表した。
この日はイスラム教のラマダン(断食月)明けの祝祭期間中。米国務省当局者は同日の記者会見で、一連の攻撃にはイラク国内で約3カ月前から相次いでいる自爆テロや車爆弾テロと共通の特徴がみられると指摘。
これまでの攻撃の大半はイスラム武装組織「イラクのアルカイダ」による犯行だったと述べ、同組織のバグダディ指導者に対してアルカイダ指導者のザワヒリ容疑者に次ぐ規模の賞金を懸けると発表した。
首都バグダッド市内のイスラム教シーア派地区では10日、爆弾を仕掛けた車8台が爆発して少なくとも22人が死亡、40人が負傷した。
北部トゥズ・フルマトでは車を使った自爆テロで8人が死亡、40人が負傷。スンニ派住民の多い北部モスルでも2カ所で爆発があり、8人が死亡、12人が負傷した。
同国ではマリキ政権を主導する多数派のシーア派と少数派スンニ派との間で緊張が高まり、数年前のような対立激化が懸念されている。国連イラク支援団(UNAMI)によると、7月にテロなどの暴力で死亡した人の数は1057人、負傷者は2326人と、06~07年のピーク以降で最悪の数字となった。