シリア政権の協力姿勢を評価 化学兵器禁止機関
(CNN) シリアが保持する化学兵器の検証、廃棄に当たる化学兵器禁止機関(OPCW)のアフメト・ウズムジュ事務局長は9日、OPCWの派遣団とシリアのアサド政権との共同作業はこれまで極めて建設的に進められていることを明らかにした。
OPCWの本部があるオランダ・ハーグで記者団に述べた。化学兵器の廃棄作業などは今月初旬から始まっているが、事務局長はアサド政権の姿勢は協力的であると評した。
OPCWの派遣団は今週前半、最初の化学兵器関連施設を査察し、一部設備の破壊作業に踏み切った。ウズムジュ事務局長によると、派遣団は9日には2番目の関連施設を訪れた。今後数日間で査察などを行う関連施設は20以上に及ぶとも語った。
国連安全保障理事会の決議は、シリアの化学兵器を2014年半ばまで廃棄することを指示。同事務局長によると、シリア政府は兵器貯蔵などに関する最初の申告を既に終了し、今月27日までにはその廃棄計画を提出する見通し。
OPCWなどの派遣団は11月1日までに全ての化学兵器と貯蔵施設の最初の査察の終了を予定している。米国はシリアが保持する神経ガスなど化学兵器の量は約1000トンと推定している。
ウズムジュ事務局長は査察や廃棄作業の日程は厳しく、反体制派が支配する地区や戦闘の前線を通過して関連施設に向かうなどの試練も待ち構えていると指摘。ただ、全当事者が一定の協力を保証し、暫定的な停戦が実現すれば、作業日程を実現させることは可能と述べた。