インドでポリオ根絶、WHOが公式宣言へ
(CNN) 世界保健機関(WHO)は3月27日、インドと東南アジアからのポリオ根絶を公式に宣言する。インドでは3年前にポリオと診断された少女を最後に、新たな症例は確認されていない。CNNはポリオ根絶の象徴的存在となった少女を取材した。
インドの西ベンガル州に住むルクサール・カートゥーンちゃん(4つ)は、生後1年6カ月だった2011年、右足が腫れるなどの症状が出て、検査の結果、ポリオと診断された。
両親は、もともと病弱で入退院を繰り返していたルクサールちゃんにそれ以上の薬物などを投与しない方がいいと考えて、ポリオのワクチン投与を受けさせなかった。今でもそのことを悔やんでいるという。
インドが困難を克服してポリオ根絶に成功した今、ルクサールちゃんはその象徴的な存在として新聞やテレビに出演し、根絶プロジェクトを主導してきた団体「国際ロータリー」のイベントに招かれるなどしてすっかり有名人になった。
ポリオは関節や筋肉を動かす脳や脊髄(せきずい)の細胞にウイルスが入り込み、身体にまひ症状が出る疾患。インドのポリオ患者は約3分の1にまひが残り、同国の身体障害者2100万人のうち半数はポリオに起因する。