トヨタ会館、トヨタの工場見学ツアーを体験
(CNN) 何列にも並んだ巨大なロボットアームが、塗装前の車体骨格でいっぱいの組み立てラインの上をジグザグに動き回る。まるで映画「ターミネーター」の1シーンのような光景だ。
そこに人間の姿はなく、巨大な機械が伸び縮みしながら迅速に作業をしているだけだ。各アームはそれぞれ異なる作業をしており、火花を噴出するアーム、ブラシをかけるアーム、ドリルで穴を開けるアームなど、さまざまだ。
見学ツアーの一行は、トヨタの元町工場2階のガラス製の橋の上から、両側に見える生産ラインを見下ろす。ツアーガイドによると、生産工程の96%はロボットによって行われ、30人の工員がロボットを管理しているという。ロボットの平均寿命は10~12年だ。
トヨタは2013年に998万台を売り上げた販売台数世界一の自動車メーカーであり、その自動車は巨大ロボットであふれるこの巨大な工場で生産されている。
トヨタ生産方式
トヨタ生産方式(TPS)は、世界中の大学や学校で学ばれ、多くの人が世界で最も効果的かつ効率の良い自動修正式の生産システムだと考えている。
トヨタは、この世界的に有名な生産システムを隠すことなく、見学希望者には誰にでも自社工場を公開してきた。しかし、これまで自動車業界に限らず、他の業界でもトヨタほどの見事な成功を収めた企業はない。
マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営学大学院の上級講師で、ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された記事「トヨタ生産方式のDNAを解読する」の共同執筆者であるスティーブン・スピアー氏は「多くの企業は、トヨタ生産方式の目に見える『産物』に注目してきた」と述べ、さらに次のように続けた。