トヨタ会館、トヨタの工場見学ツアーを体験
巡礼者のような見学者たち
ミュージアム見学の後は、バスで15分の距離にある元町工場の見学だ。工場へは当然ながらトヨタのバスで移動する。工場内は、写真撮影が禁止されており、携帯電話やカメラはロッカーに預ける。
このトヨタの見学ツアーは、日本の本来の旅行コースから大きく外れているため、ツアー参加者の大半は、わざわざ数時間かけてここまでやってくる。参加した英語のツアーには、国籍の異なる9人が参加していたが、ツアーの間、参加者は全員、見学に集中していた。
移動のバスの中で、ガイドがトヨタの社名についての裏話をしてくれた。トヨタの創業家の名前は豊田(とよだ)だが、「とよた」にすると画数が8画となり縁起がいいため、社名を「トヨタ」に変更したのだという。
マザー工場
この元町工場の溶接工場が、多くのロボットアームが火花を発しながら作業しているターミネーターの1シーンのような現場だ。
この工場では、1日約400台、年間7万台の自動車が生産されている。実に135秒に1台のペースで完成している計算だ。車1台に使用される部品の数は3万点以上、工場で使用されているロボットの数は760台に上る。
溶接工場の後の組み立てラインでは、工員の数が大幅に増える。組み立てラインの上に設置された一連の橋の上を歩いていると、工員たちが時折、作業をしながらチラっと顔を上げて微笑んでくれる。