ロシア軍全面撤収か、3万人既に移動 ウクライナ国境近く
ウクライナ東部ドネツク(CNN) 米政府当局者は31日までに、暫定政権軍と親ロシア派武装勢力の交戦が続くウクライナ東部情勢に関連し、国境沿いに集結していたロシア軍のうち約3万人が過去数日間で基地などに帰還したことを明らかにした。
同当局者は、ウクライナ東部情勢に関する最新の諜報(ちょうほう)を知り得る立場にある。国境周辺に依然残るロシア軍部隊約1万人についても撤収の準備を進める兆候が見られると述べた。
米政府は対ウクライナ国境沿いに展開するロシア軍部隊について衛星監視を続けている。同軍の総力については推定4万人としていた。
米政府当局者はロシア軍が撤退に踏み切った背景について、大統領選をへて誕生した新たなウクライナ政権との対話を進めたいとの意図を反映していると推測。ただ、ロシア軍が輸送機などを使い大規模兵力を対ウクライナ国境周辺に即座に展開させることは容易だとも述べた。
米国防総省と北大西洋条約機構(NATO)は今月28日、国境沿いに展開しているロシア軍部隊のうち少なくとも数千人規模が撤退したと発表していた。
ロシアのプーチン大統領は19日、ウクライナ東部国境近くにいる数万人規模の部隊に撤退を命じたと宣言。撤収は既に開始され、完了まで一定の時間を要するとも述べていた。