女性議員に「座れ」 ヨルダン議会での発言が物議
(CNN) 中東ヨルダンの下院で男性議員が女性議員に「座れ」と繰り返し叫んだ場面の映像が、インターネット上で急速に広まって論議を呼んでいる。
ヨルダン下院では先週、天然ガスの輸入を巡って議員らが激しい議論を戦わせた。女性のヒンド・ファエズ議員に続いて男性のヤヒヤ・サウド議員が発言したが、ファエズ議員が着席せずに発言を続けたため、サウド議員は大声で何度も「座れ、ヒンド」と命令した。
サウド議員はさらに机をたたいて「女性議員の割り当て制を導入した人物に、神ののろいを」と叫んだ。同国では下院150議席のうち15議席を女性に割り当てることが法律で定められている。
この映像がヨルダンなど中東諸国での女性差別を象徴しているとして、ネットで話題になった。短文投稿サイト「ツイッター」では「座れ、ヒンド」「座るな、ヒンド」というハッシュタグが広まり、ジョークや非難の書き込みが相次いだ。
ヨルダンのある女性は「議会で声をあげ、沈黙を拒否したファエズ議員に感謝する」とツイート。動画投稿サイト「ユーチューブ」には「座るな、ヒンド」という歌も登場した。
ファエズ議員は8日、CNNとのインタビューでこの場面を振り返り、「割り当て制でも議員であることに変わりはない。男か女かではなく、私の仕事や実績で評価してほしい、と言いたかった」と話した。
サウド議員はヨルダン紙の取材に対し、「メディアの反応に驚いている」と語った。