伊海軍、難民ら乗る船残がいを海中で発見 800人死亡か
ローマ(CNN) イタリア海軍は9日までに、リビア沖の地中海で転覆し、乗っていた難民や移民とみられる推定800人が死亡したとする小型船の船体を深さ約375メートルの海中で発見したと発表した。
船体が見付かったのはリビア沿岸部から北へ約137キロ離れた海域。転覆は今年4月19日に起き、28人を救出、24遺体を収容していた。生存者は船内の劣悪な状況を証言しており、過多な乗客積載などが転覆原因と指摘されている。
生存者の中には船長とその助手とみられる2人がおり、逮捕された。
イタリア海軍が残がいをビデオ撮影し、先月19日に転覆した船と確認した。船の2層式の甲板付近で多数の遺体が見付かったという。
イタリアの検察当局は先に、転覆の原因について船長の操縦ミスや過剰な乗客数の可能性に言及。一方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は生存者からの事情聴取を根拠に、救援に駆け付けた貨物船による船体への接触や貨物船の接近で生じた高波で転覆した可能性があると指摘していた。
政情混乱に襲われる中東やアフリカ諸国の難民らが地中海をわたってイタリアなどを目指す密航行為が減る兆候は見られず、欧州諸国は対策に追われている。