プーチン氏、ロシア機撃墜でトルコ非難 「背後から刺された」
ロシア軍機の操縦士2人は脱出した。このうち1人の遺体が発見され、もう1人は行方不明との情報もある。
シリア反体制派が公開したビデオには、トルクメン人の反体制派勢力が操縦士2人を銃撃したとされる場面が映っている。「撃つな」「生け捕りにしろ」と叫ぶ男の声や激しい銃撃音、「神は偉大だ」という叫び声なども入っている。
RIAノーボスチ通信はさらに、操縦士らの救助に向かったロシア海兵隊員1人が死亡したとも伝えている。ロシア軍幹部によると、ロシアの捜索ヘリ2機のうち1機が「非合法武装勢力の支配地域」から迫撃砲による攻撃を受けて破壊され、不時着したという。
シリアのアサド政権を支持するロシアに対し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコは、欧米諸国とともに反アサドの立場を取る。NATOのストルテンベルグ事務総長は双方に「冷静な対応」を呼び掛けるとともに、「トルコとの連帯」を改めて表明した。
オバマ米大統領は24日、ロシアがシリアでの作戦で親トルコの「穏健な反体制派」を攻撃していることに問題の一端があると指摘。ロシアがISIS掃討だけに集中すれば、トルコとの対立が悪化する危険性も低くなるとの見方を示した。
オバマ氏はこの日、ワシントンを訪れたフランスのオランド大統領と会談した。オランド氏は今週、ロシアでプーチン氏との会談も予定している。
パリ同時多発テロを受け、フランスと米国がロシアと対ISIS掃討で共闘する可能性が指摘されていただけに、トルコとロシアとの間の緊張の高まりがその妨げとなることを懸念する声が上がっている。