プーチン氏、ロシア機撃墜でトルコ非難 「背後から刺された」
イスタンブール(CNN) トルコ軍がシリア国境付近でロシア軍機を撃墜したことに対し、ロシアのプーチン大統領は「テロリストの共犯者に背後から刺された事態としか言いようがない」と述べてトルコを非難した。ロシア国営RIAノーボスチ通信は、脱出した操縦士2人のうち1人が地上からの銃撃で死亡したと伝えた。
ロシアとトルコの間ではこの件をめぐって非難の応酬が続き、緊張が高まっている。
ロシアは今年9月以降、シリアで過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」掃討を掲げた空爆作戦を展開してきた。だがトルコのエルドアン大統領は、国境地帯にいるのはISISでなく、トルコ系民族のトルクメン人だと指摘。「この地域を爆撃する者は、我々の同胞であるトルクメン人を攻撃したことになる」と強調した。
エルドアン氏はまた、ロシア軍機は事前に繰り返し警告を受けていたにもかかわらず、これを無視したと主張した。ロシア側は領空侵犯を否定している。
米当局者がCNNに語ったところによると、ロシア軍機がトルコ領空に入っていた時間は30秒以下だった。トルコ側は5分間で10回に及ぶ警告を発したと主張するが、ロシア軍機がこの間ずっとトルコ領空内を飛んでいたとは言明していない。
一方プーチン大統領は、今回の撃墜がトルコとの関係に「深刻な影響」を及ぼすとの見方を示した。
プーチン氏によると、ロシア軍機はシリア北西部ラタキアでISIS掃討作戦を実施していた。同機が墜落したのはトルコ国境から4キロ離れたシリア側で、撃墜された時も国境から1キロ離れたシリア上空を飛んでいたという。