北朝鮮、韓国系カナダ人牧師に終身刑
(CNN) 北朝鮮で拘束されていた韓国系カナダ人のイム・ヒョンス牧師(60)が16日、体制転覆をはかった罪などに問われ、終身刑を言い渡された。朝鮮中央通信が伝えた。
朝鮮中央通信はイム牧師について、「反北朝鮮の宗教活動を行い、海外の韓国・北朝鮮人の間でデマを広め、『脱北者支援』プログラムにおいて北朝鮮の市民をおびき寄せて拉致する米国(と韓国)の保守系団体の活動に積極的にかかわった」と伝え、「自らが犯したあらゆる凶悪犯罪について自供した」とした。
イム牧師は今年2月に北朝鮮で拘束された。カナダ外務省は「イム氏の年齢や健康状態を考えても、北朝鮮の裁判所が言い渡した判決はあまりに過酷」と非難。カナダの担当者がイム氏への面会を申し入れたが北朝鮮に拒まれたと述べ、この対応は領事機関が自国民を訪問する権利について規定したウィーン条約に違反すると指摘した。
カナダ政府は、イム牧師の権利が尊重され、帰国がかなうことを望むと表明している。
イム牧師の家族は弁護士を通じて「北朝鮮の人たちに寄せるイム牧師の心を北朝鮮が思い出してくれることを切望する。家族や教会は寛大な措置を望んでいる。国際社会にも引き続き支援を求める」との談話を出し、解放に向けた外交努力への期待を示した。
イム牧師は1986年に韓国からカナダへ移住。トロントの教会で牧師を務め、北朝鮮には100回以上渡航していた。今年1月30日に中国経由で北朝鮮入りしたのも、人道支援プロジェクトへの参加が目的だったという。