小児病院空爆で50人死亡、停戦は崩壊寸前 シリア
国境なき医師団のマルコ氏によれば、空爆された病院付近の建物にたる爆弾2発が着弾して負傷者がこの病院に運び込まれ、家族などが駆けつけていたという。同施設のゲートにも3発目の爆弾が着弾し、多数が負傷していた。
マルコ氏は、「今回の攻撃を行ったのが誰かは分からない」としながらも、「過去にこうしたたる爆弾を日常的に使っていたのがシリア政府だったことは分かっている」とした。
シリアでは全土で停戦が発効中だが、アレッポなどの各地で衝突が激化しており、シリア人権監視団によれば、アレッポでは過去6日で少なくとも148人が死亡した。うち99人は反体制派、49人はシリア政府側の人物だったという。
デミストゥラ特使は米国とロシアの双方に対して和平協議の再開を呼びかけ、停戦は崩壊の瀬戸際にあるとして、「緊急に停戦を復活させなければならない」と強調。「過去48時間の平均で、シリア人は25分ごとに1人が死亡、13分ごとに1人が負傷している」と指摘した。
シリア和平協議の次回会合がいつ開かれるかは決まっていない。
シリアへの人道支援を担当する国連作業部会のヤン・エグランド氏は、アレッポやホムスの一部では「壊滅的に事態が悪化」していると述べ、もしこのまま空爆が続けば、包囲されている35地点に国連が支援物資を届けることができなくなると危機感を示した。支援物資の提供は一刻を争う状況だと同氏は訴えている。