「涙は不要、行動を」 シリア激戦地の医師団、米政府に訴え
米政府高官は11日、書簡がホワイトハウスに届いたことを確認し、「米国は繰り返し、アサド政権によるアレッポなどシリア各地での医療施設に対する無差別な爆撃を非難してきた」と強調。国連と連携し、ロシアとも対話しながら暴力を抑え、人道援助をアレッポに届けるための外交手段を見付けると表明した。
この反応について、書簡に署名したシリア人医師の1人は、ホワイトハウスの反応にショックを受けたと語り、「ロシア空軍が我々の頭上にいて、想像できる限りのあらゆる武器で我々を攻撃しているのに、人道支援や交渉や外交努力について語るのは大きな皮肉だ」「ホワイトハウスは何が起きているかを知っているはず」と批判した。
同医師は、アレッポで10日に化学兵器が使われた疑いもあり、そうした中でのオバマ政権の反応はあまりに鈍いと指摘する。
書簡によれば、アレッポの医療施設は17時間ごとに攻撃を受けているといい、このままの状態が続けば1カ月以内に同地の医療は壊滅状態になると予想。「アレッポへの恒久的なライフラインが開通しなければ、再び政府軍に包囲され、飢えが蔓延(まんえん)して病院の物資が完全に底を突くのも時間の問題だ」「死がますます避けられない状態になりつつある」と危機感を示した。
国連の報道官によると、アレッポでは200万人以上が電気を使えない状態にあり、井戸やタンクに残ったわずかな水ではシリアの夏の猛暑の中で、この人口を支え切れない状態に追い込