トルコ、米に「最後通告」か ギュレン師引き渡しを再度要求
(CNN) トルコのエルドアン大統領は12日までに、7月15日に起きたクーデター未遂の首謀者とみなす米国在住のイスラム指導者フェトフッラー・ギュレン師について、身柄の引き渡しを米国に改めて要求した。米国に対し「最後通告」を突きつけたものとみられる。
トルコ国営アナドル通信が10日に伝えたところによると、エルドアン氏は、米国は最終的にトルコとギュレン師のどちらを選ぶのか決断を下さざるを得なくなるだろうと指摘。ギュレン師が率いる運動「フェト」に言及し、「米国は遅かれ早かれ選択を下すことになるだろう。トルコを選ぶのかフェトを選ぶのかどちらかだ」と述べた。
ギュレン師は米ペンシルベニア州で1999年から亡命生活を送っている。トルコはギュレン師の引き渡しを求めており、その主張を裏付けるため議会の代表団が数十箱分の文書を米当局者に手渡した。ただ、ギュレン師はクーデターへの関与を再三否定している。
オバマ米大統領は、「法的なプロセス」を経たうえで、関連する法律や条約に照らして引き渡しの要求が正当化された場合のみ、ギュレン師の身柄移送に応じる可能性があるとしてる。
ギュレン師をめぐる問題で、トルコ政府と他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国の関係は悪化している。
米国政府との関係も冷え込みかねない中、エルドアン氏は今週、ロシア政府を訪問しプーチン大統領と会談。トルコが9カ月前にロシア軍機を撃墜して以来、初となる関係修復の兆しを見せていた。