ISIS支配の実態示す看板、下着の種類にも規制 イラク
イラク北部アルビル(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されたイラク北部の都市モスルの奪還作戦が続く中、その近郊で男性の下着に関する規制を明記した看板がこのほど見つかった。占領地区の住民の生活を細かくコントロールしようとするISISの意図を反映したものとみられる。
この看板が見つかったのは、モスルの南に位置し、古くから湯治場として知られるハマンアルアリルの町だ。
占領下の住民にぴったりしたジーンズやTシャツ、ひげそりを禁止し、伝統的なだぶだぶの衣服を着るように強制しているISISだが、この看板では「着ていい下着」と「着てはいけない下着」がはっきり図示されている。欧米的なボクサーやブリーフは禁止だ。
保守的なイスラム教徒にとって、ドレスコードを決めるのは聖典コーランや預言者ムハンマドらの言行録であるハディースの記載だ。重視されるのは慎み深さで、へそからひざまでは覆わなければならず、体の輪郭線は隠さなければならないと考えるのが一般的だ。
この看板でも、ひざ下まである長いだぶだぶの下着か、長い腰巻きであればOKとされている。
ISISの支配地域から逃げてきた人々によれば、命令に従わない者に対しISISは、斬首に始まりむち打ち、投獄、トンネル掘りなど非常に厳しい罰を科しているという。
CNNが取材した範囲では、下着のルール違反で殺された例は見つからなかったが、むち打ちや投獄は珍しくなかったという。