なぜロシアがテロの標的となるのか
モスクワの地下鉄を標的とした襲撃は2004年と2010年に発生している。
2013年12月にはロシア南部のボルゴグラードで自爆テロが発生している。この時の攻撃の場所は比較的チェチェンに近く、当時はテロリストがもはやモスクワや有名な標的を狙う能力を持ち合わせていないことの証左だとみられていた。
しかし、今回、サンクトペテルブルクの地下鉄で起きたことを見ると、これは間違っていたようだ。
ロシアの治安部門や諜報(ちょうほう)部門はここ数年、人的資源や専門家を南西方面からのテロの脅威の封じ込めや阻止に費やしてきた。
これまでのところ攻撃を行ったと主張する組織や個人は現れてはいないが、今回の事件の詳細が判明するにつれ、ロシア政府は同国の強固な治安網をどうやって潜り抜けることができたのか、理解しようと躍起になることだろう。