デング熱流行で296人死亡、患者10万人超 スリランカ
(CNN) スリランカが前例のないデング熱の流行に見舞われている。赤十字によると、2017年だけで296人の死亡が確認され、症例報告は10万人を超えた。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)はデング熱の拡散を食い止めるため、スリランカ全土で緊急支援態勢を強化している。
今年に入って報告された症例数は10万3000人に上り、2016年の1年間の症例数のほぼ2倍に達した。2010~16年の同じ期間の平均に比べると4.3倍を超えている。
各地の病院は満員状態となり、デング熱の患者の受け入れをやむなく停止。特に、スリランカ国内の感染者のほぼ半数が集中する西部州は深刻な事態に陥っている。最大都市コロンボにある国立病院の医師は今月上旬の時点で、治療の遅れが患者の死亡の筆頭原因だと話していた。
陸軍は兵士1190人あまりを動員して、対応に当たっていることを明らかにした。
世界保健機関(WHO)によると、デング熱の流行は、モンスーンの豪雨や雨水が染み込んだごみの山、水たまりなど、ウイルスを媒介する蚊の繁殖場所の多さに起因する。
IFRCによれば、同国は国土の半分以上が豪雨や洪水に見舞われており、特に貧困地域は大きな危険にさらされている。「デング熱は、衛生状態が悪く、ゴミの山や水たまりに蚊が繁殖する人口密集地帯の貧困層を襲う傾向がある」と専門家は指摘している。