ネオナチ行進に抗議、ヒトラー腹心の死後30年 独ベルリン
ベルリン(CNN) ドイツの首都ベルリンで19日、ナチスの思想を信奉するネオナチの集団が市内を行進したのに対し、大規模な抗議デモが行われた。
ネオナチの行進は、ナチスを率いたヒトラーの腹心、ルドルフ・ヘスの死後30年に合わせて実施され、警察によると500人前後が参加。抗議デモにも約500人が集まったという。
ヘスは戦犯として終身刑を言い渡され、ベルリン西部のシュパンダウ刑務所で服役。66年以降は同刑務所に残る最後の受刑者となり、87年に93歳で死亡した。
ネオナチの横断幕には、ヘスが裁判の最終陳述で語ったとされる「後悔など全くしていない」という言葉が書かれていた。ヘスが自殺したとの説を「うそはたくさんだ」と否定し、「殺害された」と主張する横断幕もあった。
戦後ドイツの法律ではナチスを象徴する「かぎ十字」の使用や制服着用などが禁止された。行進の主催者は参加者にこうした違法行為を避け、行進曲を流さず静かに刑務所跡地まで歩くよう指示した。
デモ隊は行進の列に向かって「戦犯」などと叫び、警官隊にも攻撃的な態度を示した。
米国では先週末、白人至上主義者やネオナチによる集会への抗議デモに参加していた女性1人が死亡する事件が発生。今後さらに各地で極右団体などが集会を予定している。米国ではネオナチなどの憎悪団体にも憲法上、言論や集会の自由が保障されている。