心臓が体外にある難病の乳児、手術受け無事回復 英国
帝王切開で生まれたベネロペちゃんは、心臓の感染症リスクを抑えて組織を乾燥から守るため、無菌保育器に入れられた。誕生時は泣き声を上げ、心臓は順調に鼓動を続けていたという。
生後約50分の時点で容体は安定しており、医師団は、心臓を体内に戻す手術にベネロペちゃんが耐えられると判断。3回の手術を経て静脈や動脈を慎重に結合し、心臓を胸の中に戻すことに成功した。
心臓転位症は、胎児の発育の初期段階で発症する難病で、心臓の一部または全体が、胸腔の外の首や胸部、腹部の上で形成される。大抵の場合は先天性の心疾患などを伴い、生存できる確率は極めて低い。
グレンフィールド病院によると、心臓転位症をもって生まれる乳児は新生児100万人中8人に満たず、生存できる確率は10%に届かないという。