中国、ウッディー島からミサイル撤去か 情報企業分析
香港(CNN) 南シナ海で領有権が争われているパラセル(西沙)諸島ウッディー島から、中国政府がミサイルシステムを撤去した可能性があることが7日までに分かった。イスラエルの情報企業イメージサット・インターナショナル(ISI)の新たな分析で明らかになった。
中国は5月、スプラトリー(南沙)諸島やパラセル諸島に複数のミサイルシステムを配備。これを受け米政府からは、中国による南シナ海の「軍事化」に関して強い批判が出ていた。
さらに米国は今週、「通常の訓練任務」の一環として、スプラトリー諸島上空にB52爆撃機を飛行させている。
以前の衛星画像では、ウッディー島沿岸でミサイル発射機やレーダーシステムが偽装網に覆われている様子が映っていたが、今回こうした設備が消えた。
ISIの新たな分析からは、ミサイルシステムが撤去されたか、南シナ海の他の場所に配置換えになった可能性がうかがえる。
米国防当局者2人はCNNの取材に、中国がミサイルシステムを完全に撤去した可能性は非常に低いと指摘。米国としてはむしろ、中国が建物内に設備を隠したのではないかと見ているという。
中国政府は6日、一帯を軍事化しているのは中国ではなく米国の側だと主張。外務省の華春瑩報道官は「B52のような攻撃兵器を南シナ海に派遣するとき、それは軍事化ではないのか」とした上で、「中国はいかなる航空機や艦船によってもひるまない。主権や安全保障を確保するため、あらゆる必要な措置を講じるという我々の決意を固めるだけだ」と述べた。