米軍艦2隻、南シナ海で「航行の自由作戦」 中国は反発
(CNN) 米海軍は27日、中国が領有権を主張する南シナ海の諸島付近で軍艦2隻が航行する「航行の自由作戦」を実施した。一方、中国は同作戦に対して強く反発している。
米当局者によると、誘導ミサイル駆逐艦「ヒギンズ」と巡洋艦「アンティータム」は、南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島にある4つの島から約20キロ以内の距離を航行した。
ロイター通信によれば、この作戦は27日に実施された。
中国はこの数日前に、パラセル諸島のウッディー(永興)島で、核の搭載が可能な爆撃機が参加する軍事演習を実施したとみられている。
中国外務省と国防省は、同諸島付近を米軍艦が航行したことについて、中国の領海が侵害されたとして非難する声明を発表。「中国の主権を侵害し、中国の安全を脅かす挑発行為」と位置付け、即刻中止するよう米国に迫った。
中国は南シナ海の大部分に対して領有権を主張、人工島を造成するなどして軍事拠点化を進めている。
一方、南シナ海の島々については、フィリピン、台湾、インドネシア、マレーシア、ブルネイも領有権を主張している。
2016年にはオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、南シナ海に関する中国の主張の大部分を退ける判断を示したが、その後も現状はほとんど変わっていない。