ブラジル博物館火災、防火システムに不備 改修予定も間に合わず
(CNN) ブラジルのリオデジャネイロにある国立博物館で火災が発生し、貴重な収蔵品の数々が失われたとみられる問題で、地元の消防当局は館内の防火システムに不備があったことを4日までに明らかにした。システムの改修は1カ月後にも始まる見通しだったが、それに間に合わないタイミングでの火災発生となった形だ。
リオデジャネイロ消防署の広報担当者は、博物館に設置された消火栓2基について、2日夜の時点で水圧が不足しており、消防士らは池から水を引いて消火に当たらなくてはならなかったと説明した。
リオデジャネイロ連邦大学のロベルト・レヘル学部長は3日、記者団に対し、防火システムを改修する計画は6月に承認され、そのための資金が10月にも拠出される見通しだったと指摘。金融機関での手続きもすべて完了し、拠出に向けた障害は何もなかったと述べた。
サレイタン文化相も、博物館の改修に充てられた予算の一部は防火システムを更新する費用に回す予定だったと明言した。
現時点で出火原因は不明。3日午後には博物館職員15人ほどが館内に入り、短い時間ながら収蔵品の回収を行った。政府が運営する通信社によると、焼け焦げた木材やタイルの下に多くの収蔵品が埋もれている可能性があるという。
サレイタン文化相によると、被害の大半は博物館内の一部の建物に集中しており、図書館などに収蔵された50万点をはじめとする品々は焼失を免れたという。それでも1万1000年前にさかのぼる人骨やエジプトのミイラなど、2000万点を超える貴重な収蔵品が失われた恐れがある。