トランプ氏、イドリブ攻撃めぐりシリアに再度警告 「世界が注視」
ワシントン(CNN) シリア政府軍が反体制派最後の拠点である北西部イドリブへの攻撃を準備する中、トランプ米大統領は5日、シリア政権に対して「世界が注視している」と警告した。
トランプ氏は大統領執務室でシリア情勢について聞かれ、「彼らが賢明かつ慎重な姿勢を取ることを望む。虐殺があれば世界は大変な憤りを示すだろう。米国も同様だ」と発言。そのうえで「私は厳しく注視している」と述べた。
シリア情勢をめぐっては、ベテランジャーナリストのボブ・ウッドワード氏の新著で、トランプ氏がアサド大統領の暗殺を指示したとの主張が展開されている。
これについて問われたトランプ氏は、暗殺を指示したり検討したりした事実はないと主張。「あの本はフィクションだ」とし、「過去に暗殺を考えたことすらなく、これからもないだろう」などと述べた。
トランプ氏や政権高官はここ数日、シリア政権による攻撃が間近に迫っていることに注意を促しており、シリア政権や後ろ盾のロシアとイランに対し、化学兵器の使用や民間人の犠牲を避けるよう警告してきた。
トランプ氏は今回、イドリブ県が「多くの人員と兵器」に囲まれていると指摘。県内には現在300万人の民間人が住んでいるとして懸念を表明した。
米国は過去にも、シリア軍の活動や化学兵器の使用に関して警告を発してきた。化学兵器の使用を受け、シリア国内の標的に対する軍事攻撃に踏み切ったこともある。