英、今後25年で深刻な水不足の可能性 環境当局が警告
(CNN) 英国の環境当局は19日、気候変動や人口の急速な増加といった影響により、英国が今後25年で深刻な水不足に陥り、「死の淵」にまで追いやられる可能性があると指摘した。
環境当局の責任者、ジェームズ・ビーバン氏はロンドンで開催された水の利用などに関する会議に出席し、もし英国が水の使用量を引き下げないと、必要とされる清潔な水を十分に提供できなくなる可能性があると述べた。
ビーバン氏は「人口増加にともない水の需要が増える一方で、気候変動の影響が作用して水の供給量が減る可能性がある」と指摘。こうした状況を変える行動を起こさない限り、現在から約25年で、必要とする水を十分に供給できなくなる時期が訪れるとの見通しを示した。
英国の人口は2050年までに現在の6700万人から7500万人へと増加すると推計されており、水供給に対する負担が大きく増えるとみられる。ビーバン氏によれば、人の水の使用量は今後20年で1日あたり140リットルから同100リットルへと削減できる可能性があるという。
ビーバン氏は、トイレで流す水の量を減らしたり、シャワーの時間を短くしたりするなどのみんなが取り組める簡単な手段があると強調した。
ビーバン氏は、水道管から漏れる水の量を早急に減らしたり、新しい脱塩施設に投資したりすることで危機的状況に陥ることを避けられる可能性があるとも指摘した。