伊マフィア幹部、ウルグアイの拘置所から脱走 本国送還待つ間
(CNN) イタリア・カラブリア州を本拠とする犯罪組織「ヌドランゲタ」の幹部が、南米ウルグアイの収容施設から脱走したことが25日までに分かった。同国で身柄を拘束された容疑者は、イタリアへの送還が決まっていた。ウルグアイの内務省が声明で明らかにした。
脱走したのは麻薬取引の中心人物として知られるロッコ・モラビト容疑者。イタリア当局は1994年以降、最重要指名手配犯として同容疑者の行方を追っていた。
20年以上の逃亡の末、モラビト容疑者は2017年にウルグアイで逮捕された。麻薬取引やイタリアでの組織的な犯罪で有罪となり、禁錮30年の判決を言い渡されていた。
内務省によるとモラビト容疑者は23日夜、首都モンテビデオの拘置所から他の3人の収容者とともに脱走。屋根の穴を通って建物の外へ抜け出し、近隣の農家で強盗をはたらいた後、逃亡したという。
国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)は4人を国際指名手配した。このうち1人はブラジル、別の1人はアルゼンチンへの送還が決まっていた。
イタリアのサルビーニ内相はツイッターで声明を発表。モラビト容疑者のような犯罪者の脱走を許したことに当惑しているとしつつ、「容疑者の捜索を続ける。どこにいようと必ず刑務所に叩き込み、然るべき報いを受けさせる」と述べた。
イタリア当局が「5大逃亡犯の1人」と位置付けるモラビト容疑者は01年、偽のブラジルの身分証明書を使ってウルグアイに入国。過去10年はマルドナド市近郊の村で暮らしていた。
逮捕時は携帯電話13台のほか、自動拳銃1丁、クレジットカードやデビットカードを12枚、5万米ドルの現金などを所持していたという。