ハリケーン「ドリアン」、バハマで甚大な被害 死者5人
(CNN) バハマのミニス首相は2日、同国を直撃したハリケーンとして過去最大規模の「ドリアン」により、5人が死亡したと発表した。ドリアンは今後、ゆっくりとしたペースで米南東部に接近する見通しだ。
ミニス氏は記者会見で、バハマ北部が「歴史的な悲劇」に見舞われていると述べた。北部アバコ諸島の被害は「前代未聞」の規模で、多くの建物が全壊または半壊しているという。死者の身元など詳細は明らかにしなかった。
アバコ諸島に住む女性は地元局に、孫の8歳男児が水死したと話した。
首都ナッソーがあるニュー・プロビデンス島でも停電が起き、家屋や車が損壊するなどの被害が報告されている。
ただヘンフィールド外相によると、現地では今も屋外での活動が危険な状態が続き、被害状況を把握することが難しいという。
ドリアンは1日夜、ハリケーンの分類で最強となる「カテゴリー5」(風速70メートル以上)の勢力でアバコ諸島に上陸。その後やや勢力を落としてカテゴリー4となったものの、半径約72キロの圏内で33メートル以上の猛烈な風が吹き、進路にあたる地域では依然として厳重な警戒が必要だ。
ドリアンは時速約1.6キロと、非常にゆっくりとしたペースで西へ進んでいる。このためバハマ北西部では2日夜を通して豪雨が続き、総雨量は600~780ミリが達する見通し。
米フロリダ州やバハマに警報や注意報が出ている/CNN
4日夜にかけて米フロリダ州東岸、さらに5日までにはジョージア、サウスカロライナ州の沿岸部に接近する恐れがある。各州で沿岸部の住民に避難指示が出ている。
北寄りに進路を変えた場合、昨年の大型ハリケーン「フローレンス」で甚大な被害を受けたノースカロライナ州に上陸する恐れもある。