ローマ教皇、クリスマスのメッセージを発表 平和を呼び掛け
ローマ(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は25日、クリスマスのメッセージを発表し、世界の紛争や不正義に終止符を打つ助けとするため、「キリストの光」を受け入れるよう信者に促した。
教皇はバチカンにあるサンピエトロ大聖堂のバルコニーからメッセージを読み上げ、戦争や政情不安、自然災害、病に見舞われた人のために祈りをささげた。具体的な国名としては、シリアやレバノン、イラク、ベネズエラ、ウクライナなどを挙げて平和を呼び掛けた。
教皇はサンピエトロ広場に集まった数千人を前に、「人間の心には暗闇が存在するが、キリストの光はさらに偉大だ」と強調。経済や地政学、環境を巡る争いにも暗闇は存在するが、キリストの光はそれを凌駕(りょうが)すると語った。
また、ブルキナファソやマリ、ニジェール、ナイジェリアなどで迫害を受けるキリスト教徒にも言及した。複数のメディアによると、ブルキナファソでは24日、イスラム教徒の武装集団による襲撃事件が起き、民間人少なくとも35人が死亡した。
教皇はさらに難民や移民の苦境にも光を当て、「彼らが海や山を渡って命を落としているのは不正義のためだ。非人道的な収容キャンプで筆舌に尽くしがたい虐待や隷属、拷問を強いられているのは、不正義が存在するためだ」と指摘した。
その上で締めくくりとして「硬直して自己中心的になりがちな心をほぐす」よう信者に語りかけた。