(CNN) 新型コロナウイルス対策で中国政府の専門家チームのトップを務める鍾南山氏は18日までにCNNの単独取材に応じ、地域社会に免疫がなく、中国が新型コロナウイルスの「第2波」の発生の可能性という「大きな挑戦」に直面しているとの見方を示した。
鍾氏はまた、新型コロナウイルスが最初に報告された武漢市の地元当局者が当初の拡大の規模に関して重要な詳細を明らかにしていなかったと語った。
国家衛生健康委員会によれば、中国では新型コロナウイルスについて8万2000件以上が報告されており、死者の数は少なくとも4633人。新規感染者の数は1月下旬に急速に増加し、都市封鎖や全国規模の旅行の禁止などにつながった。
2月上旬には新規感染者が1日で3887人を記録した日もあった。しかし、1カ月後には新規感染者の数は2けたに下落した。
中国では大部分で新型コロナウイルスを抑制しており、生活も通常の状況に戻りつつある。都市封鎖は緩和され、学校や工場の一部も再開している。
新たなクラスターの発生を受け、武漢当局は住民1100万人を対象に大規模検査を行うよう指示した/STR/AFP/AFP via Getty Images
鍾氏はそれでも、第2波の危険性はあるとして、当局は満足すべきでないとした。中国ではここ最近、各地で新たなクラスター(感染者集団)が確認されている。
鍾氏は、免疫がないため、中国人の大部分は依然として新型コロナウイルスに感染しやすい状態にあると指摘。「大きな挑戦」に直面しており、現時点では外国よりもよい状況にあるとは考えていないとした。