武装勢力の襲撃で81人死亡、7人拉致 ボコ・ハラムの犯行か ナイジェリア
ナイジェリア・ラゴス(CNN) アフリカ西部ナイジェリアの北東部ボルノ州で、過激派組織「ボコ・ハラム」と思われる武装集団に集落が襲撃され、少なくとも81人が死亡した。ボルノ州政府が10日、CNNの取材に明らかにした。
襲撃されたのはボルノ州北部の遊牧民の集落で、自治体のトップや子ども、女性を含む7人が拉致され、畜牛400頭が持ち去られたという。
住民の証言によると、武装集団は9日午前、装甲車やトラックに積んだ大量の銃で住民を襲撃した。最初はイスラム教の教えを説くと偽って、牛に餌をやるなどしていた住民を1カ所に集め、武器を持っている場合は差し出すよう要求。これに応じて銃や弓矢などを引き渡した住民もいた。
ところが「突如として無差別の銃撃が始まった。子どもや女性も関係なかった。多くは至近距離から撃たれた」。目撃者の男性はそう証言、「私たちは49人の遺体を埋葬し、残る32人の遺体は家族が持ち帰った」と話している。銃撃は数時間にわたって続いたという。
ナイジェリア軍の広報は今回の襲撃について、ボコ・ハラムおよびテロ組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」の犯行だったと断定。軍の対応を強化するため、部隊を現地に派遣したことを明らかにした。
ボルノ州知事も10日に現場を視察し、軍に対して武装勢力の掃討作戦を強化するよう訴えた。
ナイジェリア北東部では相次ぐボコ・ハラムの襲撃によって、この10年あまりの間に数万人が殺害され、300万人以上が避難を強いられている。