香港裁判所、民主派15人に保釈認めるも検察が不服申し立て 勾留継続へ
香港(CNN) 香港の裁判所は4日、国家政権の転覆をはかったとして香港国家安全維持法(国安法)違反の罪に問われた民主派の活動家など47人のうち15人の保釈を認める決定を下した。ただ検察側の不服申し立てにより、この15人を含む全員の勾留は継続。高等裁判所で保釈を認めるかどうかの審理を改めて行うことになった。
裁判所が保釈を認めた15人には立法会(議会)前議員の郭家麒被告、譚文豪被告、黄碧雲被告らが含まれる。民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)被告、元法学教授の戴耀廷(ベニー・タイ)被告など32人は、5月31日の次回公判まで引き続き勾留されるとした。
しかし検察側がその場で保釈への不服を申し立てたため、裁判官は15人の再勾留を命じることを余儀なくされた。再び保釈を認めるかどうかの審理は、高等裁判所で48時間以内に開かれる。
保釈を認めるにあたり、裁判官は被告らに対して公の場での発言やあらゆるプラットフォームを通じた活動について警告。国家安全保障を危険にさらすと合理的に見なされかねない内容の発信は一切行わないよう命じた。
保釈対象の15人の被告はいかなる選挙にも立候補できないが、投票権は認められる。また直接的にも間接的にも国外の当局者や議員との接触を禁じられる。国外への渡航に必要な書類は没収され、外出禁止令に従う義務を負う。
裁判官が決定を下した際、被告の間からは歌にのせて「我々香港人はまだ死んでいない」「政治犯は有罪にならない」と訴える声が上がった。弁護士の支援に感謝する被告もいた。
4日間にわたって行われた裁判の間、民主化運動の支持者らは裁判所の外に列をなし、傍聴席も埋めて審理の行方を見守った。4日夜に決定が言い渡される際には、数十人の警官が裁判所周辺に配備されていた。