香港民主派の数十人、国安法違反容疑で一斉逮捕
香港(CNN) 報道によると、香港で6日午前、元議員や野党の活動家など数十人が、香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕された。同法に基づく摘発は、中国政府が昨年同法を施行して以来、最大規模となる。
インターネットに掲載された声明によると、逮捕者は全員が昨年7月に実施された予備選の参加者だった。この予備選は、同年9月の立法会(議会)選挙に向けて民主派の候補者を絞り込む目的で実施された。
選挙はいずれも新型コロナウイルスの感染拡大で延期されたが、それ以前に複数の候補者が失格とされ、選挙の参加者は国安法違反の罪に問われる可能性があると通告されていた。
香港警察はその予告通りに6日早朝、予備選候補者の一斉逮捕に踏み切ったと思われる。
逮捕者には昨年まで立法会議員だった涂謹申、尹兆堅、林卓廷の各氏が含まれる。3氏を含む民主派の議員は全員が、民主派議員数人の議員資格取り消しに抗議して辞任していた。
雨傘運動の指導者で昨年末に禁錮刑を言い渡された黄之鋒氏も予備選に関連した捜査の対象とされ、本人のソーシャルメディアへの投稿によると、自宅が6日午前に家宅捜索を受けた。
議員で活動家の伍建偉氏は、自身が逮捕された際の動画を生中継で配信した。動画には「国家権力の転覆を図った罪」で伍氏を逮捕すると通告する警官の声が収録されている。
ほかにも著名活動家や元議員、元ジャーナリストなど多数が逮捕されており、民主党の羅健熙主席はツイッターで、「昨年の民主派予備選に参加した全員が、主催者も含めて逮捕されるだろう。40人以上、あるいは50人かもしれない」と伝えた。