聖職者による子どもの性的虐待、20万人以上が被害か 仏カトリック教会
パリ(CNN) フランスでカトリック教会の聖職者から性的虐待を受けた子どもは、過去70年間で推定20万人を超えるとする報告書がまとめられた。
教会での性的虐待を調べるために設置された独立委員会(CIASE)が、仏国立保健医学研究所(Inserm)と民間の仏世論調査研究所(IFOP)による調査結果から推定した。
調査は昨年11月から今年1月にかけ、18歳以上の2万8000人を対象にオンラインで実施された。
5日に公表される報告書は、調査で虐待されたことがあると答えた人の数に基づき、1950~2020年に全国で未成年者21万6000人が聖職者から虐待を受けた可能性を指摘している。
聖職者だけでなく、カトリック学校や教会の青少年プログラムの関係者による虐待も含めた場合、被害者は33万人に上るとみられる。
独立委員会のジャンマルク・ソベ委員長は報告書の公表に先立ち、加害者の聖職者は2900~3200人に上るとの見方を示した。
ソベ氏によると、教会で子どもが虐待を受ける可能性は公立学校やサマーキャンプなど、家庭以外のどんな環境よりも高いことが分かった。
その背景には、教会が虐待の通報を受けても、子どもを守るために必要な厳しい措置を取らなかったという問題があるという。
ソベ氏は今年、CNNとのインタビューで、被害者は少なくとも1万人に達する可能性が極めて高いと話していた。報告書によると、最終的な人数はその30倍以上に及んだことになる。