UAE外相、シリア大統領と会談 関係正常化の兆し
(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)のアブドラ外相は9日、シリアの首都ダマスカスで同国のアサド大統領と会談した。2011年にシリア内戦が始まって以降、同国を訪問したUAEの当局者としては最高位となる。
今回の訪問は、アサド政権が民衆蜂起に対する過酷な鎮圧で外交的に孤立して以降、同政権と域内諸国との関係正常化に向けた最大の兆候となる。
シリア大統領府によると、同外相は「共通の利害のあるさまざまな分野における相互協力」、および2国間の協力の進展を議論したという。
アサド大統領は、内戦によってもたらされた数々の困難の克服におけるUAEの支援に感謝の意を表明。大統領府は、「シリアで起きることは全アラブ諸国に影響を及ぼす」との同外相の発言を伝えている。
同外相は、シーザー法と呼ばれるアサド政権への米国による一連の制裁に対して反対の声を上げていた。UAEは18年にダマスカスの大使館を再開し、シリア政府を地域外交の場に復帰させるという地域的な取り組みの主導を促進した。
ただ近隣諸国とシリア政府との関係正常化の動きは、欧米諸国からの反対に直面している。欧米諸国は、アサド政権が外交的孤立から抜け出せば同大統領の権力が強化され、同大統領が犯したとされる戦争犯罪や人道への罪に対する説明責任を問う機会が奪われると懸念している。一方、アサド政権はこうした罪を否定している。