フランス語辞書に性別問わない人称代名詞「iel」、議員や閣僚が猛反発

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フランス語の辞書「ル・ロベール」が、性別を問わない人称代名詞の「iel」をオンライン版に掲載/René van den Berg/Alamy

フランス語の辞書「ル・ロベール」が、性別を問わない人称代名詞の「iel」をオンライン版に掲載/René van den Berg/Alamy

フランス・パリ(CNN) フランス語の辞書「ル・ロベール」が、性別を問わない人称代名詞の「iel」をオンライン版に掲載し、政治家らの強い反発を招いている。

新しい人称代名詞のielは、男性を表す「il(英語で<he>に相当)」と、女性を表す「elle(英語で<she>に相当)」を組み合わせた単語。同辞書では「3人称単数および複数の人称代名詞。性別に関係なく人を指すために使われる」と解説している。

複数形と女性形を組み合わせて「iel、ielle、iels、ielles」で構成される新しい代名詞は、10月から同辞書に加わった。これに対して一部の政治家が強く反発している。

マイクロン大統領の与党「共和国前進」のフランソワ・ジョリベ議員は16日、「この作者はフランスとは何の関係もない思想の過激派だ」とツイートした。

ジャンミシェル・ブランケール教育省も同日、「インクルーシブな記述はフランス語の未来ではない」「従って、たとえ学生たちが基本的な知識を固めているところであろうと、これを参考としてはならない」と強調した。

政府のガブリエル・アタル報道官は17日の定例会見で、「全ての公文書や行政文書でインクルーシブな記述を使用しない」という政府の方針を再確認した。

これについてル・ロベールは17日に発表した声明で、単純にフランス語の最近の変化を反映させようとしたにすぎないと強調。「iel」が一般的に使われることはまだまれだと認めた上で、この単語を記載して意味をはっきりさせることで、これを使用したいか拒絶するかを人々が判断できるようにすることが有用だと編集委員会で判断したと説明した。これまでに寄せられた反応はおおむね好評だったとしている。

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