ローマ教皇、カナダ先住民に謝罪 寄宿学校の虐待めぐり
(CNN) カナダのカトリック系寄宿学校で先住民の子どもたちが虐待を受けていた問題をめぐり、同国を訪問したローマ教皇フランシスコ(85)が25日、先住民に謝罪した。
アルバータ州エドモントンで先住民と面会したフランシスコ教皇は、カトリック教会の虐待への関与をめぐって悲しみや憤りを覚えると述べ、事実関係に関する本格的な調査を表明した。
先住民代表は以前から、寄宿学校の子どもたちが何十年にもわたって虐待に苦しみ、先住民の文化がかき消されたことについて教皇の謝罪を求めていた。
「当時の政府が推進し、寄宿学校の制度で頂点に達した文化的破壊と強制的な同化に対し、教会や宗教関係者の多くが協力したことに許しを乞う」と教皇は述べている。
カナダのブリティッシュコロンビア州とサスカチュワン州では昨年、寄宿学校の跡地から何百もの無名墓地が見つかっていた。
カナダの委員会調査によると、寄宿学校では先住民の子ども4000人以上がネグレクト(育児放棄)や虐待のために死亡した。そうした学校の多くはカトリック教会が運営していた。
「これほど多くのキリスト教徒が先住民の人たちに対して犯した悪について、謹んで許しを乞う」とフランシスコ教皇は述べ、「この過程で重要なのは、過去に起きた出来事の事実関係について真摯(しんし)な調査を行い、寄宿学校の生存者の傷が癒やされるよう支援することだ」と指摘して、謝罪は過ちを正すための最初の一歩にすぎないと強調した。
教皇はケベック州と、ヌナブト準州の州都イカルイトも訪問予定で、カナダの枢機卿2人が全行程に同行する。