ペロシ米下院議長の訪問計画、台湾はどう考えているのか?
台湾・台北(CNN) ペロシ米下院議長(民主党)が台湾訪問を計画しているとの報道をきっかけに、米国と中国の間で緊迫した応酬が交わされた。中国がどのように反応するかを巡る臆測も広がっている。
ペロシ氏はこれまでのところ報道内容に関する明言を控えているものの、米国が台湾支持の姿勢を示すことは重要だと発言。米国では民主、共和両党の議員がペロシ氏に台湾訪問を促している。一方、中国はこの案に反発し、訪問が実行されれば「断固かつ強力な措置」を講じると言明している。
だが、論争の渦中にある台湾の声はそれほど聞こえてこない。
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統や同氏の事務所からはこれまで、ペロシ氏の訪問に賛成あるいは反対する声明は出ていない。ただ、蘇貞昌(スーチェンチャン)行政院長(首相)は27日、台湾政府は「ペロシ議長の長年にわたる力強い支援と思いやりに大変感謝している」と述べ、外国からの全ての友好的な訪問者を歓迎すると表明した。
アナリストらはこうした比較的静かな反応の理由について、台湾が難しい立場に置かれているからだと指摘する。
アナリストらによると、台湾は中国の侵攻や武力制圧に備えた防衛で米国の武器に頼っているため、米国の有力政治家からの支援に水を差していると見られる事態は避けたい。