カナダ、ガスタービンのドイツへの移送で合意
(CNN) カナダは、ロシアから欧州へ天然ガスを送るパイプライン「ノルドストリーム1」に使用する主要なガスタービンの移送で合意した。ドイツのショルツ首相とカナダのトルドー首相が22日、共同記者会見で明らかにした。ロシアはエネルギーを武器化しようとしているが、この動きが裏目に出た形となった。
ショルツ氏は「これは重要な決断だ。なぜなら、同盟国を分断し、ウクライナへの支援に影響を与えることを狙ったプーチン(ロシア大統領)の戦略を暴露するものだからだ。我々が団結すれば、それを排除することができる」と述べた。
ショルツ氏は「ロシアはもはや信頼できるビジネスパートナーではない」と指摘。存在しない技術的な理由で欧州全体へのガス供給を減らしていると述べた。
トルドー氏は、欧州やドイツが今後1年から2年にわたって特に天然ガスなどの輸入についてロシアに依存することになるだろうと指摘した。トルドー氏は、責任はカナダにあるとするロシアの見方を否定した。トルドー氏は、タービンを返還することで、エネルギーを武器化した決断を他の誰かのせいにするロシアの口実を排除することができると語った。
ショルツ氏によれば、当該のガスタービンはドイツにあり輸送されるのを待っている状態。ロシア国営のエネルギー企業ガスプロムは7月にドイツへのガスの輸送量を大幅に削減したが、保守整備が必要なガスタービンの不調を理由としていた。
ガス輸送の再開後も最大輸送能力の20%にとどまっており、ガスプロムは8月末にもさらなる保守整備が必要として、再びパイプラインの稼働を止めると発表した。
ドイツは冬の到来に備えて、厳しい措置で貯蔵施設に可能な限りガスをためようとしている。