韓国、年齢の数え方を「満年齢」に統一 「数え年」など3種類の混乱を解消
韓国・ソウル(CNN) 韓国議会でこのほど、年齢の数え方を統一する法案が可決された。これまでは国民は、国際標準の「満年齢」や中国を起源とする「数え年」など、3種類の数え方を使い分けるのが普通だった。
この混乱を終わらせるため、2023年6月から全ての公文書で満年齢を標準として使うことを義務付ける法案が、8日に議会を通過した。
長年の論争を経てこの問題が決着したことで、韓国人の年齢は国際的な標準に沿って統一され、年齢の数え方が3種類あることによって生じる法的問題も解消される。
国際標準の満年齢は出生時から何年たったかを数える方式で、0歳からスタートする。
しかし非公式な場で年齢を尋ねられると、ほとんどの韓国人は数え年で答える。この年齢は、満年齢より1歳、時には2歳も上になることがある。
数え年では生まれた時を1歳と数え、毎年1月1日に1つ年を取る。
場合によっては満年齢と数え年を組み合わせたような数え方をすることもある。この場合、誕生時は0歳で、毎年1月1日に1つ年を取る。
例えば「江南スタイル」を大ヒットさせた歌手PSYさんは1977年12月31日生まれ。満年齢は44歳だが、数え年は46歳、組み合わせ方式では45歳になる。
韓国ではこの3つの年齢を切り替えながら使うのが日常だった。
ほとんどの人は、日常生活や社会生活では数え年を使用する。満年齢は、例えば民法などの法律や公文書などで使用されることが多い。
しかし、飲酒や喫煙ができる年齢、徴兵の年齢などに関しては、組み合わせ方式を使用する。
8日に可決された法案は、全ての司法・行政分野を通じて満年齢の使用を標準とすると規定。州や自治体は市民の満年齢使用を奨励し、そのための宣伝を行う必要があるとした。
ロイター通信によると、与党「国民の力」の議員は議会演説で、「この改正の狙いは、不必要な社会的・経済的コストを削減することにある。さまざまな年齢の数え方があることで、法的・社会的論争や混乱が絶えない」と力説した。
2019年に別の法案を提出した議員は、そうした混乱に加え、3種類の数え方があるために「年齢に基づく上下関係の文化が形成され、特定の月の出産が避けられている」と指摘していた。